2018年はクリストフ・ルメール騎手が不倒の記録と言われた武豊騎手の年間212勝を抜いて215勝でフィニッシュ。
最多勝記録更新に盛り上がった日本競馬でした。
前の記録保持者である武豊騎手のエッセイ『名馬たちに教わったこと~勝負師の極意Ⅲ~』を読んだところ、やっぱり記録は抜かれても彼の偉大さは色褪せないという事を実感しましたね。
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ネタバレしない程度に心に残った所を紹介していきたいと思います。
私と同じように30代前半の人がこの本を読むと、懐かしの馬とのエピソードに当時の記憶が蘇ったり、知らなかった武豊騎手デビュー当時の裏話に引き込まれることでしょう。
サイレンススズカのパートで、私はついつい泣きそうになってしまいました。
歴代のお手馬の中からとっておきの33頭のエピソードが満載
ほんの一部を選んでも33頭にもなるというのが衝撃ですよね。
本の中に出てくる33頭はこの馬たちだ!
- アグネスディクター
- トウカイローマン
- スーパークリーク
- シャダイカグラ
- ファレノプシス
- イナリワン
- ナリタタイシン
- ナリタブライアン
- オグリキャップ
- バンブーメモリー
- メジロマックイーン
- ベガ
- ダンスパートナー
- エアグルーヴ
- ダンスインザダーク
- サイレンススズカ
- スキーキャプテン
- シーキングザパール
- スペシャルウィーク
- アドマイヤベガ
- タニノギムレット
- ステイゴールド
- ゴールドアリュール
- カネヒキリ
- クロフネ
- トゥザヴィクトリー
- ファインモーション
- アドマイヤグルーヴ
- ディープインパクト
- メイショウカイドウ
- ウオッカ
- キズナ
- キタサンブラック
凄い顔ぶれですよね。
これちなみに、和田騎手でエッセイ書くとしたらテイエムオペラオー1頭になってしまいますからね。
さすがに通算でJRAG1を75勝もしている武豊騎手だけありますね。
この本を読みながら動画を見て名馬たちを振り返ってみた
アグネスディクター:武豊騎手デビュー戦でのエピソード
この話は全然知りませんでした。
武豊騎手にもマルコメの新人時代があったんですよね。
先日のフジテレビでのドキュメンタリーを見た妻が、
おぼこいな~!!
と、新人時代の武豊騎手を見て漏らしていました。
それほどに垢抜けない少年は、自分が将来4,000勝も勝ち星を重ねる事など少しも想像できてなかったようです。
そんな青さが伝わる武豊騎手のデビュー戦でのエピソードでした。
スーパークリーク:ご存知、武豊騎手をG1ジョッキーにした馬ですね
武豊少年が自宅からほど近い京都競馬場で何度も見たのが菊花賞。
それを彼はスーパークリークとのコンビで制します。
それは何とデビュー2年目のことでした。
最近はデビュー2年目でG1を勝つジョッキーはなかなか出てきませんよね?
このスーパークリークとのコンビで伝説のアイドルホースオグリキャップに挑んで負かした天皇賞・秋がその翌年の3年目の時。
彼が頭の中で描いた作戦には感心させられますね。
それをこの大舞台で実行してしまうのですから。
ナリタブライアン:武豊騎手も認める全盛期の圧倒的強さ
今でこそシャドーロールの怪物と言えば、2018年の牝馬三冠とジャパンカップを驚愕のパフォーマンスで制したアーモンドアイ。
それまではシャドーロールの怪物と言えば、同じ三冠馬のナリタブライアンでした。
武豊騎手とのコンビで勝利した阪神大賞典てのマヤノトップガンとの壮絶な叩き合いは私の中では伝説のレースです。
エアグルーヴ:武豊騎手と共に牝馬の固定概念をひっくり返した元祖女傑
エアグルーヴは本当に美人なお馬さんでした。
武豊騎手もその美しさに魅了されたほどだそうです。
ただし、レースぶりはど根性丸出しでした。
この天皇賞・秋での最後の直線で牡馬のバブルガムフェローにグイグイッと馬体を寄せに行って競り負かすのはヤバイですね~。
もちろん、本の中でもそのあたりも武豊騎手は触れています。
サイレンススズカ:今でも泣ける…
この馬ほど個性的な馬はいませんでした。
もしもあの府中のコーナーを何事もなく回っていたなら…
この文脈を読んだだけで涙がポロポロと出てきてしまいました。
大欅を超えるまではいつものサイレンススズカで、圧倒的なリードを保っているのですが…
まさに沈黙の日曜日。
本の中で少し触れられていますが、武豊騎手もサイレンススズカについてはメディアにまだ語っていないところがあるようです。
スペシャルウィーク:武豊騎手をダービージョッキーにした馬
この時代、特にこの馬の同期には強い馬がたくさんいましたね。
二冠馬セイウンスカイに凱旋門賞2着馬エルコンドルパサー、グランプリ三連覇グラスワンダーなどなど。
この頃の中央競馬は本当に面白かったですね~。
1999年は天皇賞春秋制覇とジャパンカップを制したスペシャルウィークですが、海外G1サンクルー大賞勝ちや凱旋門賞2着を含む海外G1戦線で活躍したエルコンドルパサーに年度代表馬の座を奪われたときの武豊騎手の悔しそうな談話はとても印象的でした。
メイショウカイドウ:唯一の小倉三冠馬
そうそうたる顔ぶれの中に、この馬がピックアップされていてかなりテンション上がりましたね~!
小倉競馬場で無類の強さを誇ったメイショウカイドウは、おそらく今後は出ることのない小倉三冠馬です。
ウオッカ:父娘ダービー制覇の女傑
この馬は本当に強い牝馬でした。
牝馬って牝馬限定戦では無双していても、牡馬と戦うと全く歯が立たない馬が多いです。
そのためか、牝馬はだいたい春はヴィクトリアマイル、秋はエリザベス女王杯を目標にローテーションを組むのが一般的です。
そんな常識を打ち破った、前述のエアグルーヴ以降、女傑の再来と言われたのがこのウオッカでした。
常識を打ち破って牝馬ながら参戦した日本ダービーでのレースぶりは圧巻でした。
強い!の一言ですね。
牝馬でダービー制覇という歴史的な瞬間を現地で生観戦できた私は本当に幸運でした。
ウオッカのレースはどれも印象深いのですが、中でも特に印象深いのが天皇賞秋です。
ライバルである同期の牝馬ダイワスカーレットとの壮絶な叩き合いの末、わずか3cm差で勝利しました。
長い長い写真判定の間の心境が生々しく本の中で語られています。
キズナ:武豊騎手の復活と言えばこの馬とのダービー制覇
毎日杯での落馬で重傷を負ってから、勝ち星が激減した武豊騎手。
当時は「もう引退だ。」とか、噂されるほどでした。
そんな当時の心境も本の中で語られていますね。
「僕は帰って来ました!」
キズナと挑んだ2014年の日本ダービー。勝利ジョッキーインタビューでのこの言葉に感動した人も多かったのではないでしょうか。
本の中で語られるキズナへの思いは、武豊騎手の中でも特別なものがあるようです。
キタサンブラック:平成最後の名馬にしてアイドルホース
平成最後のスターホースの鞍上が武豊騎手って、、ストーリー出来すぎでしょw
しかも引退レースの有馬記念では他馬を寄せ付けずに完勝で花道を飾るあたり、競馬の神様は本当に分かってらっしゃる!と思わずには居られません。
全部で200ページちょっとの本エッセイのうち、40ページ弱をキタサンブラックのエピソードが占めています。
相当なドラマがあったのですね!
まとめ
最近の武豊騎手はTOP10には入るものの、昔ほどは勝たなくなって久しいです。
そんな中、2019年はルメール騎手と同じエージェントになったいうニュースが!
これはまた勝ち星を増やすチャンス!?
まだまだ武豊騎手と名馬の作り出すドラマを増やして行って欲しいものです。
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