大企業あるある

【実話】疲れ果てたベテラン営業マンのエア新規開拓

想像してみてください。

2人で乗って2人で漕ぐタイプの自転車があったとします。

あなたは前に、もう1人は後ろに。

一生懸命漕いでいるあなたの後ろで、もう1人は漕いでいるフリをしています。

今回は、2007年に新卒で入社した大手の日本企業(印刷会社)に居たフリーライダーの話です。

当時は紙からデジタルの時代への過渡期。

印刷業界(特に私の居た商業印刷の事業部)の市場規模は年々縮小していきます。

それでも売上を上げる事を宿命付けられた営業は抗わなければなりません。

既存顧客の案件だけでは売上の減少をカバーできず、活路を新規開拓に求めます。

新規開拓と言っても既に競合企業がまず間違いなく入り込んでいる市場です。

あの手この手で競合から案件を引っぺがすために皆必死です。

そんな中、私を含めた若手の士気を下げるのがベテラン営業マンによるエア新規開拓でした。

フリーライダー化するベテラン営業マン

大企業におけるフリーライダーとは

フリーライダーを直訳すると、

  • Free:タダで
  • Rider:乗る人

つまり、タダ乗りする人ですね。

これを会社という組織に当てはめると、働かずに給料を得ようとする人となります。

目標達成しなくてもクビにならないのが大手の日本企業

自分が頑張らなくても誰かがやってくれる。

うちの事業部が業績悪くったって会社は潰れやしない。

わざわざめんどくさい新規の案件を開拓してしまうと労働時間は増え、逆にめんどくさくなってしまうのです。

それを暗黙の了解として壮大なコントが繰り広げられているかのような情景でした。

毎月後半に差し掛かると、課長から「今月の数字どうするんだよ」的な会議での詰めが始まります。

私は以前の記事に記した通り、先人の不正やボッタくりで破綻した案件を担当しており、厳しい売上の月が続いていました。

当然、頑張って他で取り返そうと四苦八苦します。

課全体の数字を達成しようと課長は他のメンバーにも詰めます。

既存クライアントで稼げないんだったら新規で開拓して売り上げ作れよ!

それもそうだと、私のような若手はシャカリキになって頑張ります。

ベテラン営業マンのなんちゃって新規開拓営業

新規開拓はただのパフォーマンス

若手は一生懸命に新規のアタックリストを作り、1件1件順番に新規のアポイントを取るべく電話営業を頑張ります。

既存得意先への訪問の帰り際、近くにリストアップしたターゲット先があれば新規アポなし訪問を試みたり。

みんな本当に頑張っていました。

でもなかなか結果にはつながりません。

なぜならもうすでにわれわれが提供する価値は世の中にありふれていましたからね。

出来る事は既存業者よりもコストを下げて受注すること。

仕事が取れたとしても利益なんて出やしません。

そんな事を知ってかしらずか、ベテラン営業マンたちは、課会で詰められたときの言い訳のためだけにエア新規開拓活動をします。

WWWという製品を作っているXXXX社とIIIIというサービスを運営しているOOOO社にアプローチしました。MMMという理由でダメでした。

課会では新規のアタックをした事実のみを自慢げに話して終わり。

彼らにとって既存クライアントの景気が上向くのを待つのがリーズナブル

アポくらい取れよって最初は思っていたのですが、それすらも仕事が増えるだけですからね。

クビにもならないし、給料も減らないのなら、忙しくなるだけ損。

課会の場で、それっぽい報告さえしてその場を凌げれば良いのです。

結果なんて出ても出なくても同じ、給料なんて年功序列で決まっていくのですから。

ある日、会議室にこもったその先輩は新規のリストに熱心にアプローチを仕掛けていると思ったら、そのほとんどは電話すら掛けていないか、もしくはサラっと話して終わり。

課長から質問された際に、何故ダメだったか、どんな部署のどんな人にアプローチをしたかなどを最低限に答えられれば彼らにとって十分だったのです。

1社か2社ほど電話を掛け、そりゃアポも取れないだろって会話をし、「そうですよね、失礼しました。」ガチャッ。

といった感じで電話を切って終了!

課の数字を何としても!って思っていた自分は本当に馬鹿らしくなりましたね。

挙句の果てには、

君の新規リスト分けてくれない?

本当に呆れ果ててしまった記憶が今でも蘇ります。

まとめ:レッドオーシャンを泳いでいる

先輩のそのマインドは、あながち間違ってはいなかったのかも知れません。

一人一人の頑張りではどうにもならないくらいに業界自体が先細りしていたからです。

最初は先輩たちも意欲を持って新規にも取り組んでいたのかも知れません。

提供しているサービス自体が目新しいものではなく、競合と取って代わろうすると価格で下回る、利益率を落とさないといけない。

でも掛かる手間は変わらない。

それを経験的に知っていたのかも知れません。

先輩のその行動はある意味、低きに流れる水のごとくリーズナブルだったのかも知れません。

そんな状況でも業界や会社を変えられない、そんな状態こそが八方ふさがりで問題だという事です。

レッドオーシャンで悲しく泳ぎ回らなくても良いように、どんな業界でも通用するスキルを若いうちから身に付ける事が重要という事ですね。

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